雪

2月の雪の日でした。
出かけのあなた
待っている僕。

電話も繋がらず
温かい飲み物を買うお金もなく
携帯ももうすぐ電池が無くなる。

この雪が止む頃には
僕はここから歩いて帰ろう
あなたが待っていなくても
寒い部屋へ帰ろう。

付き合ってすぐのあなたは
たくさん求めてくれました
だけど今、僕が待っているのは
どこかで誰かに腰を振り
疲れたあなた。

雪は強くなりました。
あれから5時間経ったでしょうか。
電話の電池も切れました。

ここから歩いて帰ったら
おそらく明日の朝になる。
重い荷物と疲れた足
それでも僕は帰ります

僕が待った
僕の帰りを待たないあなたとの
ほんの少しの愛の巣へ。

帰る頃には
きっと雨になる。



実話です。