趣味は読書、屁理屈など

少し風邪気味なので、夕食の後、市販の風邪薬を飲んで横になっていたら、いつのまにかうたた寝をして、体はだるかったが、気分が悪いので、風呂に入った。
湯船で目を閉じて、ボーっとしていると、ふと中学の理科の教師の言葉を思い出した。
「現実には、完全な直線などこの世には存在しない」というもので、「どんなに真っ直ぐに見える直線でも電子顕微鏡で見たら、デコボコである」と言うのである。
その時は、幼かったし、従順だったので、それをそのまま受け入れたが、現実には存在しない完全な直線も、頭の中でなら想定出来る。
AからBまでの最短距離は、頭の中では常に完全な直線である。
高校の生物の教師は最初の授業で、僕達が山に入って一歩踏み出したら、靴の裏で数匹の虫を踏み殺していると、話した。
こうなると、蚊も殺さなかったというダーウィンも、やはり多くの生命を殺していたということになる。
このような話は、真実の一面ではあるが、どうも違和感を感じるのだ。
ついでに思い出したが、ずっと幼い頃、近所の友達に「お風呂に入ると疲れが取れる」と話したら「お風呂に入ると疲れるからよく眠れるのだ」と言われた事があり、それをそのまま母に伝えたら、やはり「お風呂に入ると疲れが取れるのだ」と諭された。
人間はドンドン賢くなって、定説や常識が、変わって行くのだが、僕はある時点からは、もうその潮流には乗らないようにしようと思う。
毎日々々新しい作家が出て来て、文庫本だけでも、未読の作家に溢れているが、僕はもうそれらを積極的には、読まないで馴染みの作家に親しんで行こうと思う。
ある時期からは、アップデートを拒否するのも、一つの生き方かもしれない。