思い出の食事

未だに忘れられない食事がある。

４０年前は東京の郊外ではちょっと強い夕立ちの落雷程度で停電になったんだよ。

まだ電化されてない調理器具だから夕飯に作るには影響はないんだけど
「いつ復旧するかわからない」
という事でまだ明るいうちにお風呂に入った。

風呂上がりにうっすらと暗くなってきた時に食べたのが
「インスタントナポリタン」

パスタとは程遠い白い麺に粉末ソース。
具は玉ねぎと薄いハム

これ今でもたまぁ～にスーパーで売ってるのを見つけると買って作って食べる。
この時の記憶を再現するかのように。。。

楽しいとか良かったとかじゃないんだけど
多分美味しかったんだろうねぇ。

普段なら巨人のナイター中継見ながら他のもの食べてるはずなんだけど
「天災」
で急遽作った晩御飯。

当事のちゃぶ台とテレビまで鮮明に覚えてるもんな。

親父はナイター中継ないからビール飲んで早々と寝てるし兄貴と弟は食べ終えて二人で風呂入ってる。
そのなか何を話す訳でもなくオフクロと二人でナポリタン食べてたのが印象的なんだよ。

薄暗くなって土砂降りだった雨も止んだんだけど、まだ遠くでゴロゴロと雷鳴が響いてる。


個人的にはこれぞまさしく
『トワイライトゾーン』
日常ではないちょっと変わった感覚の記憶。


何があった訳でも楽しかった訳でもなくただだだ日常的ではない
『黄昏の中の食事』
ってのが記憶に残ってる。



今になって文章にして思い返せば、

多分オフクロと二人で食べた

って事が記憶に刻まれたキッカケなんだろうな。。。

日常は五人で所狭しと騒がしい食卓だったからね。

何も話さないけれどテレビもついてない、最初の二人っきりの食事だったんだろうな。

こんなに鮮明に覚えてるんだから。

色褪せない思い出。。。なんだろうな。