電車

上がる音楽聞いて、

深く、深く、耳の奥で鳴らして、


寝れる時間調べて、

寝過ごさないようにアラームかける。





昨晩は飲みすぎた。


その日の愚痴をお酒に混ぜて、


一気に飲み干しちゃう以外の方法を知らない。


心と、体と、

お財布の豊かさが反比例していく。







楽しいってなんだったっけな。

確かもっとキラキラしてて、

オレンジとか、ピンクとか、黄緑とか、


そんな色だった気がするのに、


もう何色だったか忘れちゃった。







きっとお腹が空いてるんだ。

って、おにぎり買ってみたけど、

結局食べずに、冷蔵庫がコンビニ化していく。


行きの電車に揺られながら帰りの電車に乗ることばかり考えている。


ちっちゃなころ、ピアノのお稽古行くときもこんなだったっけ。











早く春になれ。










でももう春だから、










早く秋になればいい。






電車の窓がスクリーンみたいだ。


この映画はいつ終わって、

次の映画もいつになったら終わるんだろう。

アナウンスがするすると脳みそを滑っていく。

するするするする。


宮沢賢治のクラムボンがかぷかぷ笑ってる。

目の上の方でで桜色がマーブル。

手のひらに空色の穴。












電車を降りなきゃ。

駅に着いた。

楽しいきらきらにも、

桜色も空色も、

全部置いて、

蟻色に塗り替えて、

お尻の根っこもぶちきって。


あたしは、何のためにこの扉から出るんだっけ。




って、思いたいのに、泣きたいくらいにその理由を知ってる。