【お題日記】切ない恋の思い出

中学二年生の時に同じ委員会になり、彼女と知り合いました。

色白で黒髪をショートにしていて、まだその頃は珍しい赤い細めのフレームのメガネを掛けている、知的なイメージに多分、一目惚れでした。

放送委員だったので、学校イベントは勿論、お昼の校内放送などもあり、同じ時間を過ごす中で、お互いを意識しあうのに時間はかかりませんでした。

その頃は今よりも付き合う事がどんな事か分からず、告白する事もなく、周りにひやかされても、苦笑いするだけで、ただ同じ趣味や友達とかの話をして過ごす時間があれば充分でした。

しかし三年生ともなると話は変わりお互い何処に進学するかで会えなくなる事が不安になり、彼女に何処に進学するか訪ねましたが、彼女も彼女の周りも教えてはくれませんでした。

自分が彼女の進学先がスイスの高校だと知るのは卒業式間近のとある日に届いた、彼女からの沢山の想いが詰まった手紙からでした。

彼女の家は市内の中心部に開業している歯科で、きちんとした家柄もあり、より高いレベルの学校を選択したのだと思います。

お互いに好きと言う言葉も交わすこともなく、離れてしまった関係ですが、
今も心のスミで輝く大切な大切な想い出です。