幸せは６畳一間から始まった

何も分からず会社の辞令のまま東京に来た男。
両親の愛に温かく育てられた女。
神のどのような気まぐれか知らないが
二人は出会ってしまう。
男は都会の孤独に愛に飢えて、
女は親の愛じゃないものを求めた。
互いに似たようなものを求めているが、本質が違うため惹かれあった。
女は初めて親の愛から離れる決心をした。
両親は当たり前のように反対をした。
それを振り切るように、女は両親の愛を捨てた。
新しいスタートは６畳一間のアパートだった。
女は窮屈に思えたが、男は満足だった。
二人の生活はままごとのようだった。
それでも男は家路を急ぎ、ドアを開けた瞬間の明るさに安らぎを覚えた。
女は心細く男の帰りを待った・・・



そんな生活だったような気がする。
今ではお互いの時間を見つけて、それを互いに認め合い
どこかで繋がる夫婦生活。
子供がいなくても、他の子供に向ける優しい眼差しは忘れない。
幸せって誰にも測れない。
お互いがそれを認めていれば。



今でも家路を急ぐ足は変わっていない。
たどり着いた先には
「おかえり」の一言。

幸せってなんだろう？