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つばめ

2013年06月05日 19:49

毎年、まいとし、初夏になると、ツバメがやってくる。

階段の3階の壁の隅に、つがいで一心不乱に、巣を作る。

ちょうどそこは、敵の死角に当たる。考えたモノだ。

巣を作るといっても、以前作った巣だから、それほど手がかからない。

ま、リフォームで手入れするくらいだ。

巣は大きくない、どちらかといえば、小さい。


いつしか、みると、5匹、雛がいた。

つがいは、ひっきりなしにエサを運ぶ。

エサを運ぶつがいを見て、カラスは雛がいることを疑う。

カラスが雛の近くに来ると、つがいはカラスに向かって大胆になる。

死角にいるから、カラスはまだ確信が持てないでいる。
いると判断すればカラスはしつこいから、簡単に諦めない。

メスは隣の廃墟の巣に陣取って、雛を見守っているが、
オスは1階の階段で脇の隅にいる。


つがいは朝起きると、忙しく、エサをせっせと5分おきに運ぶ、

なにせ5匹の雛だ。

農村の田園ならエサに不自由しないだろうが、都市部では難儀する。

つがいは、遠くまで遠征しなければならない。


つがえがエサを運ぶと、逃がすまいとして大きな口を開けて、身を乗り出す。

5羽の雛の住まいにしては、リフォームの巣は、小さい。

しかし、毎年、まいとし、同じ巣で繁殖に励んでいる伝統ある巣だ。

おいそれとは新築するわけにもいかない。


つがいが、遠く遠征から帰ってたとき、3匹しかいなかった。

カラスに連れて行かれたとカンチガイしたらしく、


マンションの周囲を、つがいで、鳴きながら大きく旋回している。

ピー、ピー、

2匹は、巣の周辺を小さなグライダーのように、ひっきりに宙を滑って交差する。

チッ、チ、チ、チ~、チッ、チ、チ、チ~

つがいは、晴天の群青に吸い込まれて、周回している。

そしてまた、低空で2匹の雛を探している。

ぴっ~、ぴ~


2羽の雛は階段の片隅に、寄り添うように、折り重なっていた。

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