「英文法は助動詞が主役」説

隙あらば勉強をサボってゲームに走っていた長男もはや中３。受験生です。
先日の中間試験では英語１３点を取って帰って来ました。
「こいつぁ～放っ置けないぞぉ～」ということで、
中学３年間の英語を１ヶ月くらいで教えるプログラムを作成中です。

で、いろいろ調べている最中に出会ったのが、標題のアイデア。
そのひと曰く、
「英語は名詞―＞動詞―＞助動詞の順に進化したのであるから、
進化の頂点である助動詞を主役に据えた文法でなければならない」
とのこと。
「幕末～明治期の学者・役人が誤って動詞主役で英文法を構築してしまった。
海外の英文法研究はどんどん進歩しているのに、日本の英文法の参考書は
他の日本語の参考書を編集して作られるから、いつまでたっても進歩がない。
学校英文法は幕末レベルだ！」とばっさり切り捨て。

一年間イタリア語を勉強しましたが、それは確かに動詞主役の文法でした。
動詞の活用形が沢山出てきます。
例えば未来形でしたら、英語ならば助動詞 will が登場し、動詞は原形のままですが、
イタリア語では、動詞の語尾が未来形専用の形に変化するのです。
ラテン系の言語は動詞主役の文法になっているようです。

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で、助動詞を主役にしたら英語１３点の中学生にも理解できる説明になるのか？
まず期待しているのが＜肯定文・否定文・疑問文の語順＞の説明です。
肯定文をベースにすると、
＜(a)否定文は助動詞と動詞の間にnotを挟む＞、
＜(b)疑問文は助動詞と主語の位置を入れ替える＞、
という、ごくシンプルな規則に統一することが出来るのです。

これは僕自身、中学１年で悩んだことでした。
「be動詞の文や未来文であればＳＶをＶＳに並べ替えるだけで疑問文になるのに、
一般動詞の現在文ではどうして唐突にdoが現れるのだろうか？」
３５年来の疑問がこれで氷解しました。

一般動詞の肯定文では＜doが省略＞されていると考えるのです。

swim やgolf などはもともと名詞だったので、動詞のサポートが必要でした。
つまり、昔は I do swim. I dogolf.　と言っていた訳です。
時代が下ってswim やgolf という名詞が動詞に進化したために
do が省略されることになったそうです。
（do が「～する」で、golf が「ゴルフする」、両方並ぶと「ゴルフするする」と冗長になるためです）。

で、それを省略しないで考えます。簡単なＳＶＯの文例で、
Kikkawa sings "Monica".
これがＳＶＯでなくてＳＡＶＯ（Ａは助動詞）であって、
Kikkawadoes sing "Monica".
だと考えるのです。
（で、更にdoes sing が合体して sings になると考える）。

こう考えると、
肯定文：Kikkawadoes sing "Monica".
否定文：Kikkawadoes not sing "Monica". (a)の規則通り
疑問文：Does Kikkawa sing "Monica"? (b)の規則通り
になります。ほぉ～。




時制が過去でも、
Kikkawa (did) sing ***.　（did sing ->sung）
Kikkawa did not sing ***. (a)の規則通り
Did Kikkawa sing ***? (b)の規則通り

未来でも、
Kikkawa will sing ***.
Kikkawa will not sing ***. (a)の規則通り
Will Kikkawa sing ***? (b)の規則通り

相が進行相（現在進行形）でも、
Kikkawa is singing ***.
Kikkawa is not singing ***. (a)の規則通り
Is Kikkawa singing ***? (b)の規則通り

完了相（現在完了形）でも、
Kikkawahassung ***. 　
Kikkawahas notsung ***. (a)の規則通り
Has Kikkawasung ***. (b)の規則通り

法助動詞を使った文でも、
Kikkawa would sing ***.
Kikkawa would not sing ***. (a)の規則通り
Would Kikkawa sing ***? (b)の規則通り

態が受け身でも、
"Monica" issung ***.
"Monica" is notsung ***. (a)の規則通り
Is "Monica"sung ***? (b)の規則通り

全部規則通り。すっきり爽やか。
整理好きな性格なので、こういうのにグッと来ます。
１ヶ月特訓プログラムの動詞編の基本アイデアが固まりました。
これで中間テスト１３点の中学生も期末テストで３０点超え！
（できるといいなぁ）。