【良い子の諸君】女優魂

写真は「こんどやる仮面ライダーオーズの映画」。
本文とは全く関係ない。


東京。
聖蘭女子学院高等部、演劇部部室。

奈美恵「この前のキンスマ見た？」
みはる、麻衣子「見てない」
奈美恵「ズコー！それじゃ話が展開しないよ」

麻衣子「先輩。みんな忙しくてテレビのバラエティ番組見る余裕なんてないのよ、です」

仕方ないので奈美恵はかいつまんで説明した。
全員役者でやらせドキュメンタリーをでっち上げて、ドキュメンタリーの主人公を騙すという概要だった。

みはる「酷い！あんまりだわっ」
麻衣子「そうね。こいつら役者の風上にもおけないわ」
奈美恵「老人や犬までみんな役者だったの！演技力凄かったの！」
麻衣子「許せないわね」
みはる「あ。麻衣子がキレる」


それだけの演技力を有しながら、どうして彼らはテレビドラマや映画や舞台に活躍しないのか。
それは何よりもかによりも、演技、ひいては役者という生きざまに対する根幹が欠けているからだ。
こいつら、役者という仕事を「ひとを騙す方法」としか思っていない。観客を騙して泣かせたり笑わせたりするとしか思ってない。
役者とは、そんな表面的なものではないだろう。
もっと心のこもった、内側からじんわりでてくる、暖かな感情のさざなみ。
うまく表現できないが、要は中身と気持ちがこもってるかいなか。

こいつらは下劣なバラエティー番組の、ひとを貶めるための企画に参画した段階で、役者失格なのだ。
そんなこいつらに演技力がどうだの、演技とはなんだたの言う資格はない！

麻衣子「役者は、俳優は詐欺師じゃないのよっ」


ちゃんちゃん