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貴方にだけ届いてほしい響け恋の唄

2006年10月11日 23:11

仕事でくやしいことがあった。今度こそ、どんなことがあってもつけいる隙なんて見せてやるものか!
そんな気分で仕事をしていたら、自分の顔つきが変わってきた気がした。
良い方に、ではなく明らかに悪い方へ。
あたし、こんなに余裕のない顔してたかしら。こんなに、つまんない女だったかしら…。
遠い秋の日。

私はあの事件以来、不安定な毎日を送っていた。カウンセラーとかいう職業など信用していなかったし、助けて欲しいとも思っていなかった。それほど、まだ幼いあたしは傷ついていた。
『泣いても構わないんですよ』
初老の男性カウンセラー氏が言った
『泣きません。泣いて解決することなんてないし、泣き叫ぶなんて、あたしじゃない誰かがすることです』
一気にまくしたてた。『…うん』
カウンセラー氏は少し身をのりだす
『それで、君じゃない誰かって例えば誰?』あたしは開きかけた唇を閉じる。ダメだ、話したらバレてしまう。せっかく隠してきたのに。見られたくない。誰もあたしの心に触れるな!
ロールシャッハも箱庭も、独学で勉強した。だから、うまくごまかせていたんじゃないかな。
あの時閉ざした心の扉はまだ開放されない。あたしがぼろぼろに傷ついたあの事件の真相を、本当は聞いてほしい。
ありのままの心を言葉にしてしまいたい。
…願うあたしが傲慢なのかな

ねぇ、もう話してもいいのかなぁ

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