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『出版大崩壊電子書籍の罠』山田順著、文集新書
2011年11月18日 17:20
著者の山田順氏は多才な方のようだ。光文社という『女性自身』を発行している中堅出版社の社員だった頃から、川崎順平とか神山冴とかって名前で著書が多数あるらしい。それが2010年5月に退社して、作家活動に入ったと思いきや、業界仲間と電子出版の道に入ったらしい。そうしてこの本を書き上げる頃には、その経験から、書籍の電子化は既存メディアのクビを締めるだけで低度情報化社会に向かってしまうという未来を予測している。本が電子コンテンツになると、他の音楽やゲームといったコンテンツ産業が辿った道を本も辿らざるを得ないのではないか、と言うのだ。
「インターネットの世界ではユーザーはお金を払わないというのが習慣化されてしまっている」というのは「掟」同然の為、いかに優良なコンテンツであっても課金は難しい。本来優良なコンテンツを創るには大変なコストが掛かるにも関わらず、だ。またせっかくの優良なコンテンツも何億というゴミブログ等に埋もれてしまうという危惧感が強い。結局は安上がりの低度情報だらけのツマラナイ世界に堕落する。そういう考え方は旧いのかもしれないけど、あり得るとも思われる。人間の気質や能力のブレイクスルーに期待するしかないが、既得権者にとっては大いなる黒船であり、果して代替産業はあるのか?
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