蛙、三度空を跳ぶ。

細切れの辞書が空から舞い落ちる朝
背骨から新しい音楽
とげとげのまるを引き抜いて
新しい輪郭 こう書く
届け届けと逆を立ち
みみたぶが溶けそう

実は気付いていた下の手
底着いた時
拾いあげる
咀嚼された文字

手作りの魚が跳ね回る姿が
美し過ぎて嘔吐する
投げ入れた井戸が底無しで
感じる絶望と焦燥感



見上げた淵は狭すぎて
隣人の目は怖すぎて
電波塔は高すぎて
コーヒーが甘すぎて

ハンチングは似合わない
ジャブは上手くない
煙草は止められない
掃除は下手



されど蛙は空の高さを知る
故に底の深さを知る

上に行くほど
下に行く
望めば望むだけ

三度 三度



見 旅





















足場がぐらつく

望むところだ