カミングアウト

大学の後輩が同じ進路を目指すと言うので、
ご飯食べがてら試験と勉強方法について一緒に検討してきた。

具体的な方向性が定まって安心したのか、
ちょっと終電前まで飲みに行く事に。

直接会うのは２回目だったのだけど、かなりお互い熱く語り、
男女のどちらが得かの話に。

僕は妊娠もしないし生理も来ないし化粧をしなくてもいい男の方がかなり楽。と思ったのだけど、彼女の視点は突き抜けていた。

「男同士は手をつないで歩いてたら奇異の目で見られるけど、
女のコ同士なら手をつないで歩いてても違和感ないでしょ」
って。

女の子の方が得だよ、って、その事だったのか。
その話の流れで、彼女自身がビアンさんだと最近気付いた事を知った。

ビアンさんの友達がこれまでいなかったので、その後の話はとても興味深かった。

一般にゲイやレズといえば、男を好きな男、女を好きな女、というイメージで、それは大凡正しい。

また性同一性障害と言えば、体の性と心の性が一致しない事で、それも大凡正しい。


しかし、そのどちらもが同時に起こる稀なパターンがある、と言うのは初めて知った。

つまり、男の体に生まれて、女の子の心を持っているけど、
女の子が好き、というパターンだ。


例えば、佐藤かよさんが女性を好きだと言った場合なんかがそうなる。

芸能人ならまだ理解を得る事も出来るかもしれないが、一般人にとって多重の偏見をクリアするのは容易ではないし、何より自分自身さえも心と体に起こっている事を理解することが難しいらしい。


こんな複雑な形に一人の性が分けられてしまう事は、昔からあったんだろうか。時代が作った性なのだろうか。

或いはこういう性の断片化は、人以外にも起きている事なのだろうか。

疑問は尽きない。