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ラブコネ

2010年11月18日 19:03

1歳の女は大阪市淀川区無職小岩貞子被告。先月8日、エジプトから帰国した際、税関の手荷物検査で、二重底にしたスーツケースの中から、覚せい剤約3.9キロ(末端価格約3億5200万円相当)が見つかり、覚せい剤取締法違反営利目的密輸入)罪で起訴された。

 摘発した大阪税関関西空港税関支署によると、小岩被告は、37歳のナイジェリア人の男に「結婚して」と口説かれて会いに行き、別れ際に男からスーツケースを持たされたと話した。「覚せい剤が入っているとは思わなかった。疑っていなかった」と否認しているという。

 独身で、マンション1人暮らし。5年前、近くに住んでいたこの男と交際を始めたが、男は間もなく帰国。昨年末に突然、男から電話があり、今年、誘われるままにエジプトのほか、ブラジルセネガルに2度、アラブ首長国連邦と計5回、渡航したとされる。

 「典型的なラブ・コネクション」。同支署の山崎政友次長は言う。「Love・Connection」は、直訳すれば「愛のつながり」だ。米仏間の麻薬取引ルートを描いた米国映画「フレンチ・コネクション」を思い起こさせるが、命名の由来は分からない。「現場の検査官の何気ない一言が広まったのかもしれません」

 初摘発は00年で、全国で10件見つかった。しばらく途絶えたが、08年に7件、09年に4件が見つかった。10年は今回が1件目だ。摘発例に「被害」女性の年齢の偏りはないが共通するのは手口だ。

 ナイジェリア人が仕事や留学を装い、長期間日本に滞在。アルバイト先、バーのカウンター街角での道案内など、あらゆる場面で日本人女性との交際のきっかけを探す。演じるのは、まめで優しい男性。「きれいだ」「愛している」と、日本人男性はあまり口にしない「殺し文句」を駆使する。交際途中で「事情ができた」と帰国。しばらくして結婚をほのめかして呼び寄せ、女性が帰国する直前に「おみやげだ」「スーツケースを交換しよう」などと言葉巧みに覚せい剤入りの荷物を渡す--。

 「冷静に考えれば分かる不自然さが、恋に舞い上がってしまうと感じない」と山崎次長は指摘する。「恋は盲目」を利用すれば、本人は中身を知らず、報酬目的とは違うため、日本入国時に運び屋の女性が挙動不審になりにくい。持ち込みに成功したら、改めて男側が接触して受け取ることができる。ナイジェリアから覚せい剤が持ち込まれる摘発例は多い上、国内で、ラブコネの手口が広まっているらしい。これまでに狙われた日本人女性は老いも若きもいるが、共通点は「孤独な人」(山崎次長)。日本人外国人に親切な上、覚せい剤が高値で取引される国内事情もある。

 では、身を守るにはどうすればいいのか。ラブコネは、荷物を持ち帰らせなければ成立しない。結婚を約束した相手でも、外国で渡されたものは受け取らないことを心がける。しかし、男は危険な組織の一員の可能性が高い。山崎次長は「断ってもしつこく迫られたら、受け取った上で出国手続きし、日本の知り合いに相談して」と呼び掛けている。

このデジログへのコメント

  • Toa 2010年11月18日 22:01

    Mr.Childrenの曲を思い出します。30歳差の恋はどんなものなんでしょうか

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