15分の縁

運命鑑定の看板を見て一瞬足を止める人は二通りの人がいる。

「いかがですか？」
と声を掛ければ目の前のイスに座る人とそうでない人。


15分1000円なんだから座った方がいいよって思うけど、多分座らない人のほとんどはお金の問題じゃないだろう。



だいたいは意識としてみんな日常の川の流れの中にいる。


「占って欲しいことは？」

って聞くと、そこから徐々にみんな川の流れから川岸へと自らの心と体を移して行く。


そうして、自分自身の日常、そして過去、未来までを客観的に見る。

表情に出る人も出ない人もいる。

態度に表れる人もいる。


15分の中で、人はいろんなことを考え、思い浮かべ、またイメージするんだろう。


占ったことがもちろんすべてではない。

でも目の前の人を占うと、オレなりの「その人の人生」がイメージ出来る。

一瞬、その人の人生のパートナーになったかのような錯覚さえ起きる。



昨日の人は、人生をより良く過ごしたいと語った。


たった15分足らずの縁の人。



知らないところに一生懸命な人はたくさんいるなあ、と当たり前のことに改めて気がついた。




今日は誕生日。


産んでくれた両親に感謝する日。



あとは出来れば普段通り過ごしたい。