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Tales of Planet Tecle 23

2010年07月05日 22:23

Tales of Planet Tecle 23

第一章 アファレスとウヴァルス

第七話 迷いの森 7


キシカの糸に絡め取られた二人をよそに、ハルムはイツキスとエノアに向かって

「もうこれで邪魔をする者はありません

あとは一刻も早くポラの洞窟へと急ぎなさい

私はもう戻らねばなりません

ここに長居すると、リリルの丘に戻ることができなくなりますからね

さあ、お行きなさい!私の子供たち!

そして無事に帰って来るのですよ」

と、二人に先を急がせた

何がどうなっているのかわからないままイツキスは、エノアに引きずられるように森の中に消えていった


そして、ハルムはピモモとプモモに向かって

「あなたたちはここで開放します

そして、今すぐに急いでリリルの街までお行きなさい

ヌハがあなた達が来るのを待っていますよ

ヌハからの指示をリリルの命だと信じて疑わなかったあなた達に罪はありません

でも、ヌハには責任を取っていただかなければならないのです

そのためにあなた達の証言が必要です

ヌハの罪の重さを軽くするのも重くするのもあなた達次第だということを忘れないでください」

と、二人を木の上から開放し、

「さあ、急いで!」

と、ピモモとプモモを走らせた

そして、ハルムはエノアが作った祭壇に近づき、ほっとした表情でその場に倒れこんだかと思うと、霧のように消えてしまった


リリルの丘の石舞台では取り残された3人が、目の前でハルムが突然消えてしまうというこの世に生まれて初めてのことに戸惑うばかりだった

何もわからないままいたずらに時間だけが過ぎ、途方にくれているとまた突然石舞台が震えるような振動をして周りに霧が立ち込めたかと思うと、その霧が一点に集まり、そこにふっとハルムの姿が現れた

コトルーとシフォル、ミリサの3人は、また唐突に戻ってきたハルムに驚く間もなく駆け寄り、

「ハルム!」

大丈夫か?」

「ハルム!?」

と口々に声をかけると、ハルムは眠ったような状態のままかすかに

「もう大丈夫です

疲れました・・・少し休ませて・・・」

と、消え入るような声で答えた

そして、コトルーが抱え上げて石舞台を降り、ヌハのいる場所まで戻ったところで、

「ヌハ、あなたにはリリルの家まで来てもらいますよ

すぐにあの双子もやってきます

あとのことはシフォルとミリサに任せますから、覚悟しておきなさい」

と、精一杯の声を出して話しかけた

キシカの網に捉えられたヌハは、抵抗することなくシフォルとミリサによって引き立てられ、コトルーのたくましい体に抱え上げられたハルムは、とても疲れた様子で、でもとても満足そうに眠っていた


リルウヴァルトの森の中を進むイツキスとエノアは、しばらく無言で歩き続けた

イツキスは何をどう訊けば良いのかさえわからなかったし、エノアは先程起きたことをどう説明したらいいものか途方にくれていた

そして二人同時に

「ねぇ・・・」
「なぁ・・・」

と声を掛け合ったものだから、思わず吹き出して、しばらく笑いが止まらなかった

少し落ち着いたところでエノアが、

「私から少し説明させてね」

と、話し始めた

「私たちのお母さんはアファレスなのよ

でもね、お母さん自身が産まれる前に、ウヴァルスとして生きたいと強く願ったことで、姿形はウヴァルスとして産まれてきたんだって!

そしてね



・」



つづく・・・

*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。. .。.:*・゚゚・

https://www.youtube.com/watch?v=HsDORDYBcwA

このデジログへのコメント

  • しあん 2010年07月06日 21:49

    > 美空さん

    おかえりなさい
    待っていましたよ

    梅雨が開ける頃には・・・と思って書き始めたこのお話も
    もう23回目になります
    いつになったら完結するのかはわかりませんが
    あと少しお付き合い下さいね

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