夏の空、秋の大地

今日の空は何時もより高かった

そして深くて青い

台風が連れて来た夏の欠片

もうとっくに通り過ぎた季節

それがまたここに来た、そんな感じがした

雲は久々の高い空に酔ってるみたいで意気揚々と漂っている

でも、山は違った色をかもし出していた

黄色や赤が目立ち、道路の脇には枯葉が溜まっている

山々はエネルギッシュな緑色が良く似合う青い空とは違った色合い

どこと無く不協和音が混ざってる感じがする

きっとセピア調になった山にはもっと薄くて優しい空の方が似合うんだろう

こんな不調和が出てるけど、台風が過ぎればまた日常へと戻る

そして季節は冬へと向かう

常夏の楽園って言葉がある

常夏って、確かに住み易いかもしれない

服も夏服だけでいいし、何より凍える事が無い

旧約聖書に出てくるアダムとイブに限っては服すら着てない

着る必要が無いほど安定した世界

でも、それって退屈な気がする

それにそれがどれだけいい事なのかすら追放されなきゃ解らなかった

変化がある事で、どんな価値があるのかが解るんだと思う

これから季節は加速していく

ドンドン寒くなっていって、山はセピア調からモノクロの世界へと変っていく

その変化を楽しみたい