突然現れた長い髪の少女　あなたの視線がどこを･･･

職場に、若い女の子がよくやってくるようになった。
　職場は製品の製造工場と、倉庫・運輸の複合体で、わたしは倉庫・運輸側の人間で、彼女は工場側の人間。
なのに彼女はうちの休憩室で、あたしの入れたコーヒーを飲んでる。
　それが悪いわけじゃないけど、思ったことをぽんぽん口に出して感情のままに笑って怒る彼女に、多少･･･ううん少なからず嫉妬する。
　日美子は「口から先に生まれてきたの？」ってほどお喋りなように思われるけど、いつでも相手の反応を窺って、会話してる。
「思ったこと言うんだもん、日美子は」
って言うけど、思ったこと言ってるように見せる技を知ってるだけ。
仕事は、最近とても楽しい。
彼女は仕事より、休憩室にいたい人。私は休憩室にすら仕事に行く人。
それでいいじゃん、とはまだ言えないけど。
あたしは　あたしだと

　言い張ってみる