もう一枚ブリューゲル

これはウィーンの歴史博物館で観た。実に素晴らしい！





もう数十年前はじめてヨーロッパを訪れた時だ。

以前から見たかったこの絵に対面したときの感激は

今も蘇えって来る。

このころは家内とも円満でその意味でも懐かしい

ほろ苦い思い出があるのだ。（苦笑）



それはさておき、

絵に立ち戻ろう。



村の男たちが狩から帰ってきた。

どうやら今日の狩は失敗だったようだ。


人間も犬たちもうなだれて憔悴しているが、

獲物はたったウサギ二匹？



これじゃ大勢の家族を養うには足りるはずないね。

きっと犬たちにはおこぼれしかまわってこないだろう。

恨めしげなワンちゃんたちの表情が浮かんでくるようだ。



でも村では子供たちが元気にスケート遊びをしている。

夕餉の仕度の煙も立ち始めた。


庶民の健康で質素な生活ぶりが伝わってくる。




それと、ここでも恐ろしいほどの精密な遠景の描写が・・・


ブリューゲルという人はおそらくよほど理科的な才能に恵まれた人

だったに違いない。