【11月14日のしるし】

1年前の今日、あたしは21歳になった。

21歳になったその日、7年半つきあっている大好きな彼氏と別れた。

まるで、最初からこうなる事が決まってたみたいに。




去年の誕生日はある意味でﾄﾞﾗﾏﾁｯｸだったと言える。

彼が罪悪感を感じない為に、彼があたしを引きずらない為に、彼を楽にさせる為に、あたしはわざとらしいくらいの嘘という名の大言を吐いた。

彼があたしの誕生日を祝ってくれている最中、ひたすら「嫌いにった。嫌気がさした。冷めた。飽きた」と叫んだ。

一生懸命に空気の読めない女を演じていた。

彼は「冷静になってよ。もういっかい考え直して」となだめてくる。

あたしとしては冷静に彼の事を第一優先で考えた結果、彼に別れを告げたのになぁ…。

彼に別れを切り出す事は、あたしにとって苦渋の決断だった。

しかしながら、いま思うと、彼のﾌﾟﾗｲﾄﾞを傷付けたのではないか？と申し訳なく感じてしまう。




あれから1年が経ち、今日あたしは22歳になった。

"辛い別れ"ｸﾝも1歳の誕生日を迎える。

ただ、そんなｶﾚﾝﾀﾞｰに記入したいくつもの記念日より、小刻みに鮮明にあたしの記憶を埋め尽くす。









そして、いまのあたしが一番ほしい誕生日ﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄ。




それは…









あなたの幸せと健康。

それ以外は何も要らないよ。

ﾀﾞｰﾘﾝ、ﾀﾞｰﾘﾝ。

共に生きれない日が来たって、どうせ愛してしまうと思うんだ。









ﾀﾞｰﾘﾝ、ﾀﾞｰﾘﾝ。