乳母日傘

生まれてから小学校の高学年までは

関東のとある小都市で育った。

大金持ちとは言わないが、小金持ちで

家で商売をしていたので、家にはお手伝いさんがいた。



戦後間もない頃、祖母は古着をリヤカーに積んで売り歩いた。

その後めきめき商売の頭角を現し

そこから発展した商売は繁盛

近所の人からは、蔵まで建ててたいしたものだと言われていた。



そんな中育った私は、欲しいものを言う前に

目の前に出てくるような生活だったので

欲しいものが無かったような気がする。


周りの人達が気を使って

言葉を発する前に動いてくれる。


三つ子の魂百までのごとく、

そんな環境の中育った私は

依頼心の強い子（大人）に育ってしまった。

そして、打たれ弱い人間の出来上がり。


小学校高学年の途中に両親が祖父母と養子縁組を解消して

母の実家のある盛岡に来てからは

両親に守られ、貧乏な家のお嬢様だった。


結婚してからは主人に守られた。



若い頃の苦労は買ってでもしろとは良く言ったもので

周囲から守られてきたから

今、自分で自身を守る事が出来ない状態なのかもしれない。

それでも生きていかなければならないから

葛藤を抱えながらも、日々淡々と生きている。

周囲から見れば

のほほんと生きているように見えるだろうな。



出来れば早く楽になりたいという思いを打ち消し

一人息子に自分の家族が出来るまでは

息子を一人ぼっちにしないために

生きている。



生きていく。



ロードオブメジャー　「ENERGY」
https://jp.youtube.com/watch?v=NQPufPAu_Iw