腐女子の数だけ萌えがある

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「腐女子の数だけ萌えがある」――腐女子ポータル「fujyoshi.jp」に聞く
4月4日16時49分配信 ITmediaニュース



腐女子ポータル「fujyoshi.jp」　

　「腐女子が“その気持ち分かる！”と共感できるサイトにしたい」――Webサイト企画などを手がけるトレジャーネットが3月にオープンした「fujyoshi.jp」は、“腐女子の腐女子による腐女子のための”ポータルサイトだ。



　このサイトで言う「腐女子」とは、男性同士の恋愛をテーマにしたボーイズラブ（BL）作品が好きな女性のこと。サイトには、腐女子がBLのこだわりについて語るインタビュー記事や、腐女子用語の解説、オリジナルBL小説などを掲載している。

　同社が運営するBL書籍への誘導口として開設したところ、予想を上回る人気で、サイト単体での収益化を検討中だ。BL初心者の青木麻由さんと、「顔に傷があるキャラが好き」の坂上礼子さん（ハンドルネーム）という女性社員2人が企画・編集している。

●腐女子の数だけ萌えがある――腐女子座談会

　腐女子の数だけ萌えがある――腐女子3～5人に集まってもらい、BLについて語る座談会に密着した「腐女座～朝まで生BL」や、腐女子のインタビュー「腐女子数珠つなぎ」など、サイトからは腐女子のこだわりが垣間見える。

　「腐女子フィルターが頭の中にできちゃってるから、BLとしてでき上がっている作品より、そうじゃないものを妄想して読むのが好き」「わたしなんて歴史の教科書読んでれば何時間でも妄想できます」「メガネは重要！」「BLは究極のファンタジー」――昨年行われた第1回の座談会は3時間におよび、「初対面なのにすごく盛り上がった」（坂上さん）という。

　「部屋の外まで会話が聞こえてきたくらい盛り上がった。2時間の予定が3時間に延び、終わりそうにもなかったので、“それではここらへんで”と止めた。その後そのメンバーは飲みに行ったみたい」（坂上さん）

　座談会記事を読んだ読者からは、「自分も座談会に参加したい」というメールが20件ほど寄せられているという。

　友達の友達も腐女子です――「腐女子数珠つなぎ」は、腐女子に友達の腐女子を紹介してもらい、インタビューして連載をしている。

　「BL歴15年でBL本は500冊くらい持っている」という腐女子が登場し、「好きな設定はソフトSM」「詰襟のホックが外れるしぐさが良い」「年下攻めが好き」と、自信の萌えポイントを語る。

　「腐女子が『その気持ち分かる！』と共感できるサイトにしたい。どこから手をつけて良いか分からないという腐女子初心者の知りたいことにも答えていきたい」と坂上さんは話す。

●「やおい」「乙女フィルター」「カップリング」って何？――用例付き腐女子用語大辞典

　初心者向けに、「腐女子用語大辞典」「腐女子徹底解剖」など基礎知識を学べるコンテンツもそろえた。腐女子用語大辞典では、「やおい」「乙女フィルター」「カップリング」などBLの基本用語を解説。読者からBL用語を募集しており、当初は64語だったが、約100語に増えた。

　用語は用例・解説付きで掲載している。例えば「カップリング」は「誰と誰が恋人になるかということ」。用例は「同僚でカップリング作って妄想しちゃった！」だ。「乙女フィルター」は「何でもカップリングにしてしまうことができる思考のこと」で、「今、乙女フィルターが発動した！」というふうに使う。

　腐女子徹底解剖は、腐女子の持ち物などについて解説。「同人誌を詰め込んだり、コスプレイヤーが服や小道具を運ぶ」ために、キャリーケースを持っていると説明している。

　「池袋へ行ったら、乙女ロードは外せない」「誰かに開けられたら困るダンボールが部屋にある」――10項目の中から当てはまるものにチェックすると、自分の腐女子度が分かる「腐女子度チェック」もある。

●顔に傷があるキャラが好き

　編集長の坂上さんは、アニメーターを目指して通っていた専門学校で友人にBL作品を紹介されて読むようになったという。専門学校時代は毎日欠かさずBL作品を読んでいたが、今は週に1回程度。「BLは、2人の好みのキャラクターが絡んでいるを見るのが楽しい。顔に傷があったり、包帯を巻いているキャラが好き」と話す。

　もう1人の編集者・青木さんは、BL初心者だ。腐女子が書いたブログを読むなどして勉強中という。

●BLコミックを売るために

　同社は、電子書籍サイト「eBookJAPAN」を運営するイーブックイニシアティブジャパンと共同で、レディースコミック専門の「e・ladycomi.com」とBLコミック・書籍専門の「e・boyslove.com」を運営している。fujyoshi.jpは当初、e・boyslove.comにユーザーを集める目的で立ち上げた。

　e・boyslove.comの1カ月当たりの売り上げは約100万円。売り上げやユーザーを増やすため、女性誌に広告を出したが「ほとんど効果はなかった」（同社の花房寛社長）という。

　大手ポータルサイトの検索結果ページに広告を出そうとした際は、e・boyslove.comがアダルトサイトと判断され、掲載を断られた。そこで同社は腐女子が集まるポータルサイトを作り、e・boyslove.comに誘導しようと考えた。

●犬も歩けば腐女子に当たる

　fujyoshi.jpの効果はすぐに現れた。オープン後、e・boyslove.comの1日の新規会員登録者数は以前の10倍になったという。開設から2日後には、fujyoshi.jpに広告を出稿したいという依頼も来た。現在、1日当たりのページビューは約3～5万。「fujyoshi.jpは、いろんなビジネスの可能性を秘めている」と花房社長は話す。

　花房社長は、腐女子が増えていると実感している。「社員がバーでfujyoshi.jpの話をしていたら、『私も腐女子なんです』と話しかけられた。犬も歩けば腐女子に当たるという感じ」（花房社長）

　最近では「腐女子の品格」という本が出版されたり、ボーイズラブが好きな女性が主人公のドラマ「腐女子デカ」が放送されるなど、“腐女子”が広く認知され始めた。女性オタクで構成した「中野腐女子シスターズ」というアイドルユニットも人気だ。

　昨年まで6年間アメリカにいたという青木さんは「これまで、BLはアダルトな分野で、隠すものなのかと思っていた。日本に帰ってきたら、腐女子の世界がオープンになっていたので驚いた。浦島太郎みたいな気分」と話す。

　今後は、e・boyslove.comにユーザーを誘導するだけでなく、サイト単体で本格的にビジネス化していく考えだ。4月には携帯電話向けサイトを開設する。DVDやCD、ゲーム販売など物販の展開も検討していく。

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最終更新:4月4日16時49分

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腐女子に萌ーっ　なんですかネぇ