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Kite Runner 「君のためなら千回でも」

2008年01月22日 12:32

Kite Runner 「君のためなら千回でも」

原題は「The Kite Runner」、アフガニスタン出身のカーレッド・ホッセイニ(Khaled Hosseini)によって書かれたフィクションです。もうちょっとで映画も公開されるはずです。日本でも翻訳された本の題は「カイトランナー」だったのですが、絶版になってしまい、しょうがないのでPaperbackで読みました。そしたら「君のためなら千回でも」という題になって本が版をあらためて出版され、映画も、同タイトルになったようです。たしかに、" For you, a thousandtimes over."っていう言葉が出てきます(誰がいうかっていうと・・・)。
でも、カイトランナーっていう方が子供のころの主人公AmirとHassan、さらにHassanの息子SohrabとAmirのあいだの関係が暗示されていいなあ!
 ともあれ、この小説は非常にうまい作りになっています。とにかく飽きません。アフガニスタンカブールに住む主人公Amirとその父親Baba、使用人親子のAliとHassan、父Babaとその友人Rahim Khan。Amirは使用人の子供Hassanと大の仲良しであり、いつも一緒に遊んでいます。父のBabaは大した人間で、妻(Amirの母)がなくなったあと、Amirを育て、Hassanを「実の息子のように」育て、一方、Rahim Khanは内向的なAmirの(大人の)友人になります。
 少年時代ハイライトはタコあげ合戦で、お互いに凧の糸を切りあうのです。AmirとHassanは最後に残った凧となり、最後に切った相手の凧を追ってふたりは街をはしりぬけます。そこで・・・ふだんから彼らに恨みを持つAssefというドイツアフガニスタンハーフの性格異常の少年が忍び寄って・・・・・。何もできなかったAmirがしたことは、なんと・・・・。
 そのうち、北部同盟がやってきたり、タリバンがやってきて・・・。彼ら親子はパキスタンを経て(Rahim Khanの助けで)アメリカに逃れるのですが、アメリカの地では、BabaガソリンスタンドにつとめてAmirの学資をかせぐ生活となります。
 やがて、成長したAmirはアフガン出身の女性に恋をして・・。
 小説家として順調な生活がはじまった矢先、パキスタンからAmirにRahimkhanから電話があります。「もういちどうまくいく方法があるんだ。There is a wayto be goodagain.」これはHassanをかつて裏切り、自分をあざむいて暮らしているAmirをパキスタンに向かわせるに十分なことばでした。さあ、冒険の始まりです・・・。

 主題が軽快にながれたかと思うと変調し、つぎに主題が少し変わってくりかえされます。ようするに入れ子状になった変奏曲です。登場人物達の意味もよく考えられており、本当にうまい小説でした。英語は平易で、たまにはさまるアフガニスタンの単語も、読書の流れをさまたげません。さっそくA Thousand Splended Sunsという、この作者の次の本も購入してしまいました。
 おすすめの本です。ぜひ、お読みください。きっと(?)映画もおもしろいでしょう(?)。

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