手に入れたのは。

いろんなものを捨て、いろんなものを奪い取り。
砂漠。あそこはまさしく砂漠だった。

よそ者を受け付けない。それどころか誹謗中傷、嫌がらせ、無視。
立場を利用した嫌がらせ＝パワーハラスメントがまかり通る。

上司を人とも思わない部下。部下を売ってまで保身に走る上司。
社会人になって初めてだなあ。あんなに会社に行きたくなくなったのは。

立ち上がれないほどの砂嵐に耐え、それでも這うように前へ前へと、ジリジリと進んだ。立ち止まれば負けだ。
息を吸うたびに砂を噛む。肺も焼けそうな熱風。毒蛇やサソリ。

オアシスを見つけ、近付くと全て蜃気楼。先輩にも後輩にも裏切られ、傷付いた。
気がふれてニヤニヤしながら青空を見つめていたこともあった。
地下鉄から地上から出て、しばらく目が潰れそうになりながら太陽を凝視したことも。

花を見つけた。

しかし砂漠の花は水や肥料を必要としない。愛し方が分からなかった。ただ見つめているだけ！が一番の愛し方だったのだろうか。

そして。

いくつもの治る事の無い傷を作り、恨みと裏切りを植えつけられた俺。

手に入れたのは。。。なんだろう。

手元に残ったのは、粉々に砕けたプライド。
でも、またそれをかき集めて、結晶にするよ。