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冬の青空

2007年12月03日 11:39

今、この20年ほどをエリート外交官としてロシアとの交渉最前線で何代もの日本首相を補佐し政治の波に流されて退官後その想いを書物にまとめた外交官のものを読んでいるのだがその中に今の季節に関係して厳寒を希求するロシア人の思いが書かれたところがあり、それに共感するところがあった。

このところ日中8℃前後で雨が鉛色の空から降り注ぎ、中途半端で惨めなその変わり易い天候のオランダではこの時期には鬱病蔓延するのだそうで、それに絡まれないようにすることが肝要だとニュースなどでも警告している。 ロシアでも事情は同じだろうがそういう時期に厳寒を待ち望むという気持ちがよくわかる。 オランダでも何年か前までは気温が零下10度ほどに落ちこむ冬があった。 この10年ほどは暖かく昨年などは氷がまともに張ることもなかったのだから寒い冬を待ち望む、というより、実際は寒さはだれも好まないものだがオランダでは零下7,8℃あたりからは空気中の水蒸気が皆結晶しそれが細かい氷、雪として地上に降ってしまうため雲ひとつ無いカラッとした青空に太陽が燦燦と照る、といった天候になるため、防寒の服装をしていればはなはだ気持ちのいい天気となる。 それに外にしても舗装道など道端に乾いた雪が微かにあるものの道の表面はカラカラであり、座っても手をついても冷たいけれど濡れるものは何もないという状態で少々奇妙な感じもしないではない。

これが、一層重苦しい気候の秋の終わりから12月の中ごろまで続くロシアの冬であれば、それに加えて雪まで積もるとなると鬱も一層高まってウオッカででも洗い流さなければやりきれないということもよく分かる。 そこで早くその次の冬、厳寒期を待ち望む。 零下何度くらいになるのだろうか、20度以下になるのははっきりしている。 そうなると快晴できらきら光るサラサラの雪が青空の下にまぶしく映える景色が現れその気分の良さは充分に想像できる。

この何日かは天気が不安定だ。 小さな嵐のような横殴りのたたきつけるような礫の雨が降るかと思えば晴れ間が出るような季節でありテレビ天気予報の気象衛星の連続画像ではアイスランドからスコットランドスカンジナビアからヨーロッパ大陸に向かって鯖の縞状に速い雲の帯が移動するのが見られ、それがこの雨風と晴れ間の繰り返し、連続ということなのだろう。 外に出かけるときは時間の制約が無い限り北西の空をにらんで20分ぐらいは大丈夫と思うとさっと出かけるようにしている。 

今日の昼間は叩きつける雨が続いて夕方からアムステルダムに出かける予定にしていたのだが5時になっても止まなかったため、それに少々憂鬱の気もあったからもうそのまま家に居ようと半分決めていたのだが、そこから風があるものの天気はこちらで言う「Droog 乾いた状態」になったから思い直してやはり出かけようと夕食後自転車で向かい風が吹く道を駅に向かい、夜中の1時を周って戻ってきたのだが幸いなことにずっとDroogだったからポンチョを使わなくてよかった。

オランダでは普通、天気は「Nat 濡れている状態」か「Droog 乾いた状態」かで表される。 天気の悪いオランダでの二分法である。 そのくせ快晴にはHolland weer オランダ晴れ」といってみたりひどく鬱陶しい鉛色のそらも「Holland Weer オランダの天気」と言ったりするから結局なんでも、快晴でもひどい天気でも「Holland Weer」で済ませてしまうようだ。

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