一年越しの関係⑥

今までも、ポルノ映画館で露出カップルに遭遇した事はあった。

東京や大阪、名古屋に博多等、それぞれ露出カップルが出没する映画館は決まっているので、仕事で各地に行った際は、時間をつくって訪れていたのだが、

そういった映画館は決まって常連の“アサリ”達が仕切っていて、馴染みでない客がでしゃばると文句を付けられる。

私からすれば、彼等は露出する側の性癖を理解しておらず、
ただ、自分たちがカップルを独占したいがために、「乱暴な客から女性を守る」との建前でカップルを囲い、やたらと馴れ馴れしく接するので、本来の目的である“痴漢の雰囲気”が失われてしまうのだが…

あらゆるプレイがマニアだけの世界でなくなった昨今、露出プレイ初心者にとっては都合良いのかも知れない。

いずれにせよ、常連のアサリが仕切っている映画館では優位な痴漢行為を行う事は難しい。


その点、この映画館は露出カップルの出没率が低く、“場”を仕切ろうとする“アサリ”も居ないので、
しつこく近付いて来る奴等を振り切りさえすれば、この“相互観賞プレイ”を独占的に行えたのだが…

再び、このカップルに遭遇出来るのか？

にわかな期待を抱きながら、再び同じ曜日の同じ時間。
少し早めに映画館へ入り、待っていると、やって来た。

もう、無言のやり取りは無い。

明らかに私とのプレイを望んでいた。