- 名前
- ooji1215
- 性別
- ♂
- 年齢
- 62歳
- 住所
- 兵庫
- 自己紹介
- 癒しと包容力、あんまり大きさにこだわりは無いオッパイ星人ですが何か(*^-^*)ち...
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安達ヶ原
2008年03月14日 09:50
振り返ると女が微笑みながら立っていた、
「その人達を私が食べたの」
「どういう事だ?」
「私の体を保つために必要だから」
この女は五百年の間生き長らえて来た、
人の精を喰らい肉を食いながら生きて来たと言う、
まるで安達ヶ原の山ん婆、
目は黄金色に輝き牙も生えて居るように見えたが俺の思い込みだけか?
後ろからの風で髪がなびかせ俺に一歩一歩近付いた、
俺は後退りしながら距離を保ち、隙を見て一気に走った、
むやみやたらにダッシュして走ったが方向は無茶苦茶だ、
やがて目の前が拓けてきた、助かったと思い立ち止まったが何故か元の場所に戻って来てしまった、
「うふふ、無駄よ、何処に行こうとまたここに帰るのよ」
「うぁあ~助けてくれぇ~」
俺はまた走って逃げた、
しかし体力が続かない、
どのぐらい走ったのか判らなくなってきた、
でもまた同じ場所にたどり着いていた、生きてこの場所から出られないのか?
女は最初からその場所に立ち、にこやかに俺の走りを見ていた、
やがて俺は女に捕まった、
凄い力で俺を引きずり小屋に戻った、
目の前に水を置いた、
これを飲めと言うのか?
俺は拒否したら鼻を摘まれ無理矢理に口を開けられ流し込まれた、
息が出来ず飲んでしまった、
暫くしたら身体中の力が抜けて動けなくなり、ただ寝かされている、
意識ははっきりしているのに手足が動かない、
着てる物は全て脱がされたが何故か寒さを感じない、
段々目の前が暗くなり、意識が無くなってきた、
「ようやく、大人しくなったわね」
女は研ぎ澄まされた刃物を俺に突き立てた、魚を捌くように腹から内蔵を取りだし、皿に盛った、最終的に各部位に分け出した、
「その客は何時から居ないんだ?」
警察官が尋ねた、
「一昨日の朝からです。
支払いの事もありますので困ってしまいます」
「これで居なくなったのは今年に入って三人目か、難儀やな」
書類を書きながら呟いた、
「遭難の恐れが有るから山狩りをするか」と言いながら宿を後にした
古くから人が消えたのは神隠しと言われ見付かる事は無いのを警察官は知っている、
探す事に努力はしないだろう、
また行方不明者が一人増えただけだった、
このウラログへのコメント
こう言うの凄く怖いですね。何だか近くにもそんなお話しがあるような・・・。
物語を書く時、終わりをどうするのか?って結構難しいw 今回のは良かった☆ グロかったけど^^;
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