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中日新聞より。

2017年01月16日 23:46

『箸袋の「ありがとう」


今年の六月、江南市立古知野北小学校の六年生が奈良京都修学旅行に出掛けた時の話。
校長水谷さん(48)は、出発前に子どもたちにこんなことを伝えた。「お世話になる人たちに、感謝の気持ちで臨みましょう」と。
早速、初日からバスから降りる都度、運転手さんやガイドさんに「ありがとう」という子どもたちの声が聞こえてきた。
さて、二日目の朝、水谷さんはホテルのスタッフに話し掛けられた。「昨夜、お子さんたちから心温まるメッセージをいただきました。それも何人もから」と。
食事の後片付けをしていたら、メッセージが書かれた箸袋を見つけたという。その一つを見せてもらうと…。
「とってもお料理おいしかったです。ありがとうございました。ごちそうさまでした」スタッフみんなで回し読みし、元気をもらったとのこと。水谷さんは予想外のことに驚き、感激した。
話はここで終わらない。
しばらくして、朝食会場に入って来た大勢の子が、手にペンを持っているではないか。そして食事後、箸袋におのおのにメッセージを書き始めた。
昨晩、箸袋に「ありがとう」と書いている子がいるのを、近くの席の友達が見ていたらしい。その話が一晩のうちに「私も」「僕も」と連鎖したのだ。
その一つ。
ホテル平安の森京都のみなさんへ お料理 昨日も今日もとてもおいしかったです、ベッドもフカフカで気持ちよかったです、本当にありがとうございました
水谷さんは
「すぐに思いを行動に移す子どもたちに学びました。これがわが校の伝統になったらと願っています」と話す。

中日新聞掲載 2016.12.04》

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