- 名前
- ぱすかる
- 性別
- ♂
- 年齢
- 73歳
- 住所
- 福島
- 自己紹介
- 中身は40代。 気が弱く臆病だが、ココロは獰猛。
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アタマがイイ女子学生ほどカラダで稼ぐ
2016年12月17日 11:08
親世帯の収入が下落し、学費は高騰している
中村:僕は「裸の女性たちは社会を映した鏡」だと思って日々取材しているけど、
それを痛切に感じたのは大学奨学金問題。
そこで思ったのは、
「奨学金を払ってまで受けなきゃいけない教育ってなんだろう」
ということです。
大学教育が
その後の人生で明確に役立っているケースを見るほうがあまりないなって。
なぜ女子大生が風俗嬢になるのだろうか(写真:Graphs / PIXTA)
中村:なぜ、女子大生が風俗嬢になるのかというと、単純な話で、
学生生活を送るためのお金が足りないわけ。
親世帯の収入が20年前と比べると20%下落するなかで、学費は高騰している。
大学は昔と違って出席に厳しくなっていて時間もない。
大学生が1日に消費できる金額のデータも、20年前は2500円だったのが、
いまはなんと900円を切る水準にまでなった。
お金と時間が足りないとなると、当然、一部の女の子は売春するよね?
それが一般化して広がってしまった。
鈴木:一般化というキーワードはふに落ちます。
たぶん、この時期は風俗業界の求人革命と重なっています。
ナイトワーク系の広告代理店がすごく勉強し始めた時期で、ウェブ求人が増えて、
ナイトワークの求人媒体でも学生歓迎や非接触を強調して、
すごく明るい業界のように演出した時期ですよ。
中村:親の援助が少ない女子大生はカラダを売る環境と条件がそろいすぎている。
そのような中で、
2004年に政府は
高等教育費の削減のために
日本学生支援機構という独立行政法人を作って
大学奨学金を金融事業化した。
原資を財政投融資に切り替えて、回収も厳格になった。
親の世帯収入が低いと
審査で認められると有利子の貸し付けを受けられるという
ありえない制度で、
何も持っていない貧乏育ちの子たちが、
社会に出る前に300万~800万円という巨額の負債を背負わされる。
未成年に数百万円の負債を決断させるのは非常識だし、
返せなくなったら連帯保証している収入の低い親に返済の義務が行く。
本当に逃げ場がない。
鈴木:どう考えてもちょっと悪質ですよね、
その大学教育で得るものにそれだけの負債の価値があるかを考えると。しかも、
淳彦さんは、奨学金で大学に通うことに、そもそも無理があると考えていると。
奨学金で大学に通うことに、そもそも無理がある
中村淳彦(なかむら あつひこ)/1972年東京都生まれ。
アダルト業界の実態を描いた『名前のない女たち』『職業としてのAV女優』『日本の風俗嬢』『女子大生風俗嬢』『図解日本の性風俗』など著書多数。
フリーライターとして執筆を続けるかたわら介護事業に進出し、
デイサービス事業所の代表を務めた経験をもとにした『崩壊する介護現場』『ルポ中年童貞』が話題に
中村:だって、そうじゃないか。まず、いちばん厳しい環境にいる
自宅外通学の学生たちが長時間のアルバイトに行きづまって風俗を選択する。
大ざっぱに生活費と学費を計算すると、月15万円くらいはアルバイトで稼がないと
学生生活を維持できないわけ。
学生しながら最低賃金に近い時給で15万円を稼ぐのは無理だよね。
時間的に無理のある生活を送って、肉体的、精神的に疲弊して、
どちらかというとまじめな層や頭のいい層が
裸の仕事を選択する。
鈴木:そこに「明るい求人」が来ると。実際に非接触をうたっている求人でも、
最初はサクラの客をつけて稼がせて、
おいしい思いをさせて、
「接触系ならこの3倍は稼げるよ」といった誘因で
普通のデリヘルに移るように仕込まれていますから、
あっという間に女子大生風俗嬢の完成ですね。
中村:風俗は稼ぎづらくなっているけど、
18~22歳の現役女子大生はカラダを換金しやすい。
学生生活を維持するために月15万円を稼がなければならないとなると、
いままで月150時間のアルバイトをしていたのが、
風俗では5日間で稼げる。
労働に割かれていた時間が月100時間くらい浮くわけ。
現役女子大生は年齢的に価値が高いから、激安店のようなところにはいないし、
アルバイトで時間に追われる学生と比べると充実した学生生活を送っている。
鈴木:本当に将来に必要になるかどうかもわからない教育を受けて、
履歴書に書く「○○大学卒業」という1行を買うために、
18歳の子に数百万円の借金を押しつける。
「日本で最悪の組織的詐欺は大学だ」。
これはそこそこの大学に通っていながら振り込め詐欺をやっていた子の言葉です。
僕は反論できませんでした。
教育がここまでビジネス化されていることに、何で誰も文句を言ってこなかったんだろう。
中村:いまの風俗業界から
貧困女性のセーフティーネット
としての機能が失われているのは、
女子大生みたいな子たちが参入したから。
奨学金問題は共産党や社民党に伝わったことで一般の人たちも知るようになったけど、
奨学金返済のために女子大生たちが風俗で働いているって誤解されがち。
奨学金の返済が始まるのは卒業して半年後から。
社会の欺瞞(ぎまん)のようなものを理解している
頭のいい子ほどカラダを売る。
逆に、ポエムのようなものを信じる層ほど返済が始まってから現実に気づいてパニックになる。
鈴木:愛人クラブや交際クラブ系の取材でもまったく同じ話を聞きます。
頭のいい子は在学中、
頭の悪い子は卒業後に就職できなかったり所得が低かったりして、
あとから参入してくる。
だから、愛人クラブ業界では22歳までの子に客が集中するとか。
中村:頭のいい子ほど、風俗で働くことを早く決断する。
根拠なく明るい将来を夢見て奨学金をフルで借りてしまう子は
下位大学に通う「意識高い系」で、
社会で活躍するという夢があるから前向きな気持ちで借金しちゃうわけ。
上位大学の頭のいい子は社会の欺瞞と現実を見つめながら、
価値が高い段階で裸になって、
Fラン大学のポエム好きの子が「風俗嬢なんて汚らしくて恥ずかしい人たち、
私たちと一緒にしないで!」みたいな差別をしている構図がある。
鈴木:子どもと教育を
お金稼ぎの的にした結果ですね。
明らかに「大学全入」という方針を取るところがおかしい。そんなことを考えていると、
職能教育は何歳からできるんだろうと思う。
少なくとも中学を卒業するぐらいになったら、その子の職業適性がわかる。
インターン制度もある中で、職能の発掘に専門性を持った人間が
子どもの適性を見きわめて本人や親と相談することのほうが、よほど重要ではないかと僕は思います。
「ポエム」に支配されてしまった若者と教職員
中村:職能教育は、昔と比べれば「している気」になっているよ。
学生をターゲットにしたインターンや研修とかたくさんある。
「夢」という言葉が浸透して、東日本大震災が原因でポエムを信奉する若者が激増して、
それが本格的に拡散されてしまった。
職能教育のような将来への準備が具体性のないポエムに支配されて、
行政や教職員まで洗脳されてしまっている。
鈴木:まだ世間を知らない学生に
リアリティーのないキラキラした就業のイメージを
「私たちの輝く未来」
といったポエムをつけて見せる。
そんなもん、カルトや自己啓発セミナーと何の差があるのか。
それは職能教育でも何でもないですよ。
中村:本来、職能教育は現実と向き合う作業だけど、
具体性のないポエムでモチベーションを上げさせようってことばかり。
それによって生まれているのは現実感のないポジティブな若者と、奨学金の残債だけ。
言葉で操るだけで
モチベーションが上がっちゃう若者が量産されているから、
ブラック企業が流行したのも当然のことだよね。
鈴木:その層のキラキラポエム系の学生と
ブラック企業にありがちな
自己啓発的な新人教育の親和性の高さは、
僕もずっと感じてきたこと。やはりその界隈はかぶっているのでしょうか。
中村:若者に提言したがるのは、
ベンチャー経営者とか、
名誉欲にまみれた社会起業家とか、
ブラックで一財産を築いた居酒屋の社長とか。
そんな連中の職能教育は自分の利益になる方向に誘導する。
今こそ
「夢はない、明るい未来はない」と言い切る指導者が必要でしょう。
鈴木:政策提言の場にどんどんポエムやキラキラの親玉が入ってきて、
お役所の役人さんは自分の目で現場を見ない人ばかり。
加速度的に状況が悪くなっている。
どうしても僕がいらだちを抑え切れないのは、
学校の教員の問題です。
たとえば、
なぜ学校教員に奨学金問題の責任追及が行かないんですか。
すごく密接に関与していますよね、学校教員と奨学金って。
中村:貧困家庭の子には、
高校の先生が
当たり前のように負債を背負って進学することをすすめている。
『貧困とセックス』(イースト新書)
このデジログへのコメント
美奈は大学って知らない世界だけど、奨学金もらってまでいくところじゃやいなと思ってます。
行くなら高校生からバイトでお金貯めて行くもんだと…
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