書籍:ビジネス名著 280の言葉

今日の紹介は、芝蘭友氏の著書です。


■ビジネス名著　280の言葉
■芝蘭 友（著）


累計3万冊以上を読破してきた著者が古今東西の名著を1つの本あたり6ページで非常にわかりやすく解説されている書評本です。
特にリーダーシップ、モチベーションに興味がおありの方にはおススメです。
古典にいきなり挑戦するのには抵抗がおありの方は、まず本書からトライしてみるといいかと思います。
それでは特に参考になった話を紹介していきます。


●真の人格者であるかどうかを計るものさしはたくさんある。
中でもまちがいのない方法は、その人間が目下の者にどうふるまうかを見ることだ。
目下の者にどうふるまうか？のキーワードは、「分別」「寛容」「思いやり」である。
男性であれば女性や子供にどんな態度で接するか。
上司ならば部下に、教師ならば生徒に、雇い主であれば従業員にどんな態度で接するか、ということである。
自分よりも立場の弱い人間に向き合ったとき、人はつい油断してしまうのである。
そんなときにこそ人間力が試される。
自分の才能におごらず、思いやりを忘れず、気配りの行き届いた人には誰もが魅了される。
生きる力がみなぎっているからだ。
（中略）
本書『自助論』で紹介されるキリスト教の伝道者フランシスコ・ザビエルのエピソードは秀逸である。
宣教師として船で東洋へと出発するが、専用の船室をあてがわれていたにもかかわらず、水夫たちと食事を共にして甲板で暮らしたそうだ。
水夫たちの心をとらえ尊敬を受けるようになったザビエルの話は、ささいなことの積み重ねが人の心をとらえるのだということを教えてくれる。
（P48～49　一部引用）
目下の人には強く出て、目上の人や実力者に媚びる人がいる。
結果も出てれば、こういう人はプレイヤーとしては、ある程度の地位まで行くかもしれない。
しかし、部下を持った途端、メンバーが付いてこなくなるという事態に陥る。
特に目下の人から目上の人は細かいところまで見える。
上司は部下を見抜くのに1ヶ月かかるが、部下は上司を見抜くのに3日とかからない、なんていう人もいる。
確かにそうである。
もちろん偽善的な振る舞いでいい人ぶっても仕方ない。
どうするか？
普段から気配りを積み重ねて、信頼を貯金していく。
これしかないだろう。
当たり前のようでなかなかできない大切なことである。

●成果を出そうと焦るとき、人は何か数多くのことをしなければならない、ということに意識が向いてしまう。
しかし、本当は「何をやめるべきか」といまの行動を振り返ることのほうが、数倍も有効に機能するということである。
もし、あなたがいま苦痛にみまわれているのならば、「いま何をやめるべきなのか」を自分に問うてみるといい。
いますぐ決断し自己変革へ乗り出そう。
（P92　引用）
時間をかけてもなかなか成果が出ない。
そんな時期はやることを増やしてしまいがちです。
しかし、より成果が出なくなってしまう。
そんなときは、逆の視点が大切ですね。
やらなくていいことを探し、思い切って止めてしまう。
シンプルで頭も心もスッキリしてきますね。

●孫子が語る「部下が心服する5つの条件」
孫子では、部下がついていくリーダーの条件として「智」「信」「仁」「勇」「厳」の5つを取り上げている。
①「智」は智恵のこと。 状況を読むために先見力を身につけよ、ということである。いつどこを攻めるのか、というのは、すべてリーダーである将軍が決めることである。
②「信」小さな約束でも必ず守る、ということにつながっていく
③「仁」仁義の「仁」。部下に対して思いやりがあるのかどうか。
④「勇」勇気のこと。決めたことをやり抜く決断力も含まれるのだろう。
⑤「厳」厳しい態度をもって部下に臨むことができるのか、ということ。私が着目したいのは最後の「厳」である。部下を甘やかすことは、そのまま死につながっていく。本当に愛情があるのなら、厳しいことも言わなければならない。
（P160　一部引用）
叱れないリーダーという人が増えています。叱ったら、嫌われるのを恐れているということが理由です。
下手をしたら辞めてしまうのではないかなんて考えているリーダーもいます。
本当にそうでしょうか。
実は部下は叱られないとかえって不安に感じてしまいます。
言うべきことは言うリーダーが信頼されます。
部下は言われる内容より、「誰に言われるか」が重要視しています。
信頼しているリーダーだったら、耳に痛いことを言われても、きちんと聞いて行動を改めます。
では、どうしたら信頼されるリーダーになるか？
ただ厳しくするのではなく、メリハリをつける、差別をしないという点が特に大切になってきます。