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中日新聞より。いい話♪
2016年07月20日 23:42
『またいつか会おうね』
日進市の藤沢さん(67)は、母親のつや子さんを名古屋市北区の老人保健施設に入所させた。認知症を発症し、足も不自由になり自宅での介護が困難になったためだ。
当初はベッドになじめないらしく苦労した。ベッドから一人で下りようとして、下に転げ落ちてしまう。それを見た施設の人たちが妙案を実行してくれた。
床一面に畳を敷き、和室に仕立ててくれたのだ。
おかげで、お母さんは畳の上に布団を敷いて横になることができた。
ところが、環境が変わったせいか、昼夜が逆転してしまい就寝時間になっても眠れない。
すると、スタッフが寝付くまで添い寝をしてくれたという。
それでも眠れず、勝手に廊下へはって出て行ってしまうこともあった。
そんな時には、スタッフがお母さんを車いすに乗せて、館内の深夜巡回に同行させてくれた。
快適な施設生活を一年ほど過ごした後、最期の時が近づいた。
その際、家族も一緒に泊まれるようにと個室を用意してくれたという。
そして亡くなる前夜のこと。
三十代の男性スタッフが勤務交替で帰宅する前、もう意識のないお母さんに声を掛けてくれた。
「つや子さん、ありがとうございました。またいつか会おうね」と。
それは、自分が死んだ時、天国で再び会おうね、という意味だった。
藤沢さんは「一人ではなく、看護師さんも含めて十人以上のスタッフさん全員が尽くしてくださいました。心ない介護職員の話が報道されることもありますが、こんな素晴らしい方々がいることを伝えたくて投稿しました。感謝の気持ちで」いっぱいです」と話す。
《中日新聞掲載 2016年(平成28年)5月15日》
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