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成程話:つながりの経済
2016年07月18日 23:25
藤村正宏氏の心に響く言葉
スマートフォンの性能がよくなり容量も増えたことで、現在、専用機といわれている商品が売れなくなっています。
たとえばiPodに代表されるデジタルミュージックプレイヤーや、コンパクトデジタルカメラなどです。
最盛期の5分の1くらいの売上になっている。
そんな中でもカーナビはコンスタントに売れているそうです。
それは新車にはほぼ標準装備されているから。
だけど、このままだといずれ消え去る商品だろうなって思うわけです。
これまでのマーケティングのシナリオは以下の3つのどれかを選ぶというのが、定説でした。
①高性能の質の高いものを提供する
②どこよりも安くする
③狭いターゲットと専門性
そして、この3つを同時に達成することは不可能だといわれていました。
ところが、スマホのアプリはこの3つを同時に実現しています。
ヤフー!カーナビもグーグルマップも最新のコンテンツにアップロードされています。
おまけにアプリは無料です。
そして、使っている人にカスタマイズされていく。
●性能がいい
●無料
●ユーザーにカスタマイズ
こんな特性を同時に持つ商品が登場しているのですから、もう昔のマーケティングの思考が通用しなくなっているってことです。
世の中、激しい勢いで変わっています。
昔の考え方のままでビジネスをしていると、ある日突然、業界がなくなっていることもあるかもしれません。
今、もっとも大事なこと。
それは、世の中の変化を認識することです。
世の中に流通する情報量が爆発的に多くなりました。
そんな環境ですから、あなたの会社の販促物を見てもらえるというのは奇跡的なこと。
あなたの会社の販促物もその膨大な情報のひとつなのですから。
スマートフォンの普及が、人々の消費を変えました。
スマホを使っている人は、場所も時間も選ばず、24時間365日インターネットにつながっている。
だから、真夜中に商品が欲しくなっても、すぐに買い物ができる。
実際の店舗で商品を見て、その売り場でスマホを使って値段の比較も瞬時にできる。
品揃えが多いとか、価格が安いとか、そんなものはもはや「価値」ではありません。
さらにスマホでゲームをしたり、音楽を聴いたり、映画やドラマを観たり、娯楽の部分で活用している人も多い。
あなたのお店にわざわざ行く時間、あなたのブログを見てもらう時間、あなたの会社の販促物を見てもらう時間は、確実にスマホに奪われています。
SNSの日常化で、人々はつながりやすくなり、友達や知り合いとのコミュニケーション時間が増えています。
これが、マーケティング的に影響を与えないわけがありません。
好むと好まざるとにかかわらず、SNSを利用している人々の行動は、すべての企業活動に影響を与えます。
さらに、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、リアルのソーシャル(社会)に近づこうと加速度を付けて進化しています。
もはや水道や電気のようなインフラに近づいているということ。
いや、もうすでに完全にインフラ化しているということ。
フェイスブックやツイッター、インスタグラム、LINEなど、年代や性別を問わず、みんな普通に使いまくっていて、特別なものではなくなっています。
そういう環境で、今までのような新規顧客獲得を目的にしたマーケティングをやっていたら、なかなかうまくいかないのは当然のことです。
従来のマーケティングは通用しなくなってきている。
そう思ったほうがいい。
こんな状況下では、たくさんの人との「つながり」が一番重要になってきます。
だから、買ってもらう前から、SNSでコミュニケーションすることが大事なのです。
SNSで楽しみながら、関係性をつくり出し、深めていく。
あなたを中心として、お客さまのコミュニティができあがったら、これほど強いことはありません。
『「つながり」で売る!7つの法則』日本経済新聞出版社
藤村正宏氏は同書の中でこう語る。
「たくさんの共感する人とつながり、コミュニティができあがっていくと、ビジネスはとっても楽になります。
すでにあなたに共感してくれている人たちです。
当然クレームをいう人も、値引きを要求する人も、少なくなります。
見ず知らずの人からはモノは買わない時代になっていく。
人は、似たようなモノを買う場合、関係性の深いほうでモノを買う。
SNSの登場で、多種多様な関係性がつくりやすくなった。
人は多くの人とつながっているのです。
それが究極まで到達すると、必要なものはすべて知り合いから買う時代になるのです」
藤村氏はこれを「つながりの経済」と言っている。
時代は激変している。
技術革新によって2030年までに現在存在している仕事の50%が消えてしまう、という衝撃的な話もある。
時代の変化に取り残されないよう、日々の学びと実践を怠らない人でありたい。
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