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中日新聞のいい話♪
2016年07月04日 23:39
『ほっとけないよねえ』
朝、六時。知多市の牧野さん(46)は夜勤を終えて家に帰ると、すぐにごみを出しに行く。中学二年の娘さんが起きるのを待って二人で朝食を取り体調の優れない奥さんを起こさないようにと遣いながら、午前七時半頃寝床に就くのが日課だ。
先日のこと、寝付いたところに「咳がひどいので病院に行ってくる」と奥さんに言われ、目を覚ましました。
喘息の持病があるのだ。
「僕が連れて行くからもう少し待ってて」と言い、夜勤明けの忍さんを気遣う奥さんを制して車で出掛かけた。
大きな病院なので、診察までの待ち時間が長い、午後一時すぎ、ようやく名前が呼ばれた。吸入と点滴治療を受け、その後、再び診察を受けることとなった。
ところが、過度の睡眠不足と疲労から、忍さん自身が気分が悪くなってしまった。
待合室でぐったりしていると、看護師さんに声を掛けられた。
「顔色が悪いけど大丈夫?」精いっぱいの笑顔で「大丈夫です」と答えると「奥さんから夜勤明けと聞きましたよ。ここで仮眠していったら」と勧められた。
遠慮して断ると、奥から「夜勤明けと聞いたらほっとけないのよねえ」と別の看護師さんの声が…。その好意に甘えて、奥さんが点滴をしている隣のリクライニング椅子で眠らせてもらうことにした。
「妻は一人で診察を受けて戻ると、私を起こしてくれました。看護師さんに『旦那さんは見てるから心配しないで』と言われたそうです。おかげで短い時間でしたが熟睡でき、帰宅してすぐに夜勤に出掛けられました。看護師のみなさん、付き添いの私にまで気遣いいただきありがとうございました」と牧野さんは話す。
《中日新聞掲載 2016年(平成28年)4月10日》
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