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何故オイルが下がったのか

2016年02月02日 19:40

多くの人は原油のほとんどは中東生産されていると思っています
。しかし、世界でもっとも原油生産しているのは実は米国で、2014年には1日あたり1200万バレルの生産量がありました。
2番目はサウジアラビアで1200万バレル弱、3位がロシアで1100万バレルです。サウジアラビアは2013年まではトップの生産量でしたが、米国においてシェールオイルの生産が増えたことで1位の座を明け渡しました。

 米国、サウジアラビアロシアの3カ国で全世界の原油の産出量の4割を占めています。
サウジアラビアを除く中東産油国をすべて足し合わせても全体の2割程度ですから、トップ3カ国のシェアが高いことが分かります。
一般的には、OPECが原油市場に絶大な影響力を持っているといわれていますが、現実にはOPEC全体ではなく、その中で突出した産出量を誇るサウジアラビアの影響力が大きいと考えた方が自然でしょう。

 一方、ロシアは産出量こそ多いですが、採掘コストが高いという欠点があります。
また米国のようなグローバルに通用する金融インフラを持っていませんから、原油市場に対する影響力はあまり強くありません。
最終的には米国とサウジアラビアの意向で原油価格が決まってくるという図式です。

 このところ原油価格が急落しているのは、シェールオイル事業者を中心とした米国の増産に対抗するため、サウジアラビアが体力勝負に出たことが主な要因とされています。
そこには採掘コストが高いロシアに対して打撃を与えたいという意向もあるでしょう。

 こうしたところに中国ショックによる景気後退懸念が発生し、原油の需給が緩むのではないかとの観測が出てきました。
さらに米国とイランが歴史的和解を実現したことで、イラン原油を増産する可能性が高まっています。
イランは、今のところ1日あたり360万バレル程度の生産力ですが、最大で100万バレル程度の増産が可能です。これによってさらに供給が過剰になるとの思惑から、投機筋が売りをかけたことで価格下落に弾みがついたと考えられます。

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