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成程話:言葉一つのこころ配り
2015年12月15日 00:01
医師、鎌田實氏の心に響く言葉
「頑固だからがんになるんだ」と医師に言われた乳がんの患者さんは、医療なんか受けたくないと思ったそうです。
言葉一つが生きる力を奪うこともあるのです。
反対に、言葉一つが命を支えることもあります。
私たちの病院に来られた患者さんの話です。
「十一年前に手術を受けてから体調が思わしくなく、病院にお世話になることが多いのですが、これまではお医者さんや受付の人の不親切さに傷つく思いをするばかりでした」
それで私たちの病院に興味を持って、わざわざ診察に訪れたそうです。
そして初診の際、一番最初に医師に言われた言葉に、その女性患者さんは感激し、涙が出そうになったといいます。
その言葉とは、「長い間、大変な思いをしてこられたのですね」という一言でした。
どんな検査や薬よりも、辛い思いを受け止める一言が、命を支えることがあります。
「お医者さんにそのようなことを言われたのは初めてですし、診察に時間をかけていただき、納得のいく説明をしていただいたのも初めてのことでした。
日本にもこのようなあたたかい医療があることを知って、希望が持てました」
ほんの言葉一つのこころ配りなのです。
焼き鳥屋の親父さんが、「お疲れのようですね。これサービスです。元気出してください」と、一皿余分に出してくれたら、お客さまは嬉しいはずです。
きっとその店の常連客になるでしょう。
住宅メーカーの営業マンは家を売れば仕事は終わりではなく、その後「住み心地はいかがですか」という電話一本をすることが、お客様を感動させ、つながりを強くするのです。
私がよく利用する丸の内ホテルでは、荷物を玄関のところでドアマンが受け取り、部屋に運んでおいてくれます。
部屋で荷物を確かめると一行書きの手紙が付いており、そこには、“お越しいただきありがとうございます。鎌田さまの笑顔にいつも学ばせていただいています”と書かれていました。
たった一行でもホスピタリティのこころは通じるのです。
『超ホスピタリティ』PHP
鎌田氏がまだ青年医師だったころ、がん末期の女性患者さんの回診を終え、いつものように「がんばりましょう」と励まして病室を出ようとしたそうです。
そのとき患者さんの頬を伝う涙を見て驚いたという。
彼女は「先生、今日までがんばって、がんばってがんと闘ってきました。もうこれ以上がんばれません」、と。
「がんばって」ではなく、「がんばってるね」。
たった一言が、相手の心を明るくもし、元気づけることになる。
言葉は凶器にもなるし、人を生かす道具にもなる。
「言葉一つのこころ配り」
あたたかで、人を元気づける言葉を使う人でありたい。
このデジログへのコメント
一期一会!さん:そうですね言葉の暴力は私の周りではよくありますが本当に心抉られたりしますね
克己さん:思っていることを自分が思う通りに相手に伝えるって難しいですよね(>_<)
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