- 名前
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- よろしくお願いします。 日記を読んでもらえると、とても嬉しいです。 独身なので、普通...
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趣味は読書、感想など
2014年12月05日 04:55
「暗渠の宿」読了。本当に、内容を忘れていた。
シャーロキアンと呼ばれるホームズファンの中には、ホームズの事件簿を作る人が居たり、僕自身も昔、横溝正史の金田一の編年体の事件簿があればと思ったことがあったが、西村賢太の一連の小説も、ある程度時系列で並べることが出来るかもしれない。
秋恵とも長いつきあいだが、どう考えても、そんなに悪い女性とは思えない。むしろ、よく耐えていると思う。(300万プラス借金に応じた父親を含めて)。つまりは、慣多が自己中のひどい男でありながら、一緒に居てくれた稀有の女性だと思われる。
作中貫多が何度か秋恵を罵倒するが、その罵倒がひどくて、ある意味、放送禁止用語を羅列しているようで、悲惨というよりギャグのようで笑ってしまうが、現実には本人のみならず、親まで罵倒されて耐えている。一度関係が出来ると、そこまで耐えるのか、それとも秋恵が特殊なのだろうか。
僕だったら、同棲相手の親に多額の借金をしている時点で、相当の負い目を感じてしまう。ましてや、助けてくれている相手の親を罵倒したり、女の出自を蔑んだりはとても出来ない。
しかも、借金の中から、同棲生活のアパート代が出ているのに、「ここは僕の家だ。出て行け」などと平気で言う。
自分は学歴も金も容姿の良さも何もなく、しかも犯罪者の息子だと、卑下しながら、秋恵の容姿を罵ったりする。そして、暴力。
こう書いてくると、とても良い作品ちは思えないが、これが読むと面白い。ひとつには、もう、逃げられているという前提があるので、やっぱりなという目で読んでいるからだろうか。
執拗に秋恵とのことを書くのは、案外作者の懺悔なのかもしれない。
秋恵のモデルの女性と、少なくとも、その逃げたした先の新しい同棲相手は、まだこの世に存在するのだから。
時には、本当に逃がした魚が大きいことがあるのだ。
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