- 名前
- ようしん
- 性別
- ♂
- 年齢
- 54歳
- 住所
- 愛知
- 自己紹介
- -今はテニスばかりやっています。
JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。
童話「ねむりひめ」
2014年04月29日 08:34
「この話は私が17歳の時に書いた童話です。」
「ねむりひめ」
うーんとねむりひめは大きなあくびを一つすると、花の中から出てきました。
えっ、そんな大きな花があるわけないじゃないかって?
ざんねんでした。花が大きいからではなくて、ねむりひめがとっても小さいんです。
ねむりひめはかわいいおひめさまのようせいです。
ちいさなぼうしをちょこんとかぶり、まほうを使えるステッキをもっているんです。
もちろん空をとぶこともできるんですよ。
ねむりひめは花のみつで顔を洗いました。
「さあ、おしごとをしなくっちゃ。」
ねむりひめのしごとは、夜泣いている人間のこどもをねかしつけることです。
ねむりひめはよるのやみにそっと耳をかたむけました。
「あらあら、まこちゃんがないているわ。さあ、いかなくっちゃ。」
ねむりひめはまこちゃんの家まで飛んでいきました。
まこちゃんの家の窓からそっとのぞくと、まこちゃんがなきさけんでいます。
まこちゃんのお母さんがやさしくあやしていますが、
まこちゃんの泣き声はとまりそうにありません。
ねむりひめはもっていたステッキを3回振りました。
えっ、なぜ3回ふったのかって?
それはまこちゃんが3さいだったからです。
するとまこちゃんは、すやすやとなにごともなかったかのように眠ってしまいました。
「まこちゃん、おやすみなさい。」
ねむりひめはつぎのこどもの家に向かって飛んでいきました。
「いやだい、いやだい、そんなのいやだい。」
けんちゃんの大きな声が聞こえました。
かんちゃんはもう大きくなったのにと思いながら
ねむりひめは家の中をのぞきこみました。
「今日はおそくまでおきて、テレビをみたいんだ。」
けんちゃんがお母さんを困らせています。
お母さんは優しく、寝るようになだめていますが、けんちゃんは聞き入れようとしません。
ねむりひめはさっと6回、ステッキを振りました。
けんちゃんが、ふぁっと大きなあくびをしました。
お母さんは眠ったけんちゃんを抱きかかえ、ふとんのなかに運びました。
「早くおおきくなってね、けんちゃん。」
お母さんはそうつぶやくと、優しくけんちゃんの髪の毛をなでました。
「お母さんっていいなあ。私にはいないけど。」
ねむりひめのまぶたからひとつぶの涙がこぼれおちました。
空にはお星さまたちが、きらきらとかがやいていました。
おわり
このデジログへのコメント
素敵なお話☆ありがとうございます 眠り姫もみんなの笑顔で元気をもらえていると思います☆.。.:*
> 真子☆さん
この話は中日新聞に掲載されました。
コメントを書く