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成程話:かっこいい人には理由(わけ)がある
2013年08月26日 23:42
クリエイティブ・ディレクター、箭内道彦氏の心に響く言葉
矢沢永吉さんのプロモーションビデオやCDジャケットの制作もやらせてもらっています。
矢沢さんは、とにかくすごい人です。
僕が初めてプロモーションビデオの企画を矢沢さんに持っていったときのことです。
僕の説明をじっと聞いてから、「箭内(やない)さんすみません。この企画、矢沢全く理解できません」と言うんですね。
そうすると僕は普段の癖で、すぐ相手の言うことに従いますから(笑)、「しまった、作り直してきます」と言いそうになる。
でもそこで矢沢さんは「これ、理解できないから矢沢にやらせて下さい」と言うんです。
矢沢さんは「わかることはやりたくないんだ」と言うんですね。
それってすごいなと思うと同時に、まったくわからないことを矢沢さんにやってもらうわけですから、「つまり僕が全部責任をとって良いものにしないといけない」ということなんです。
「絶対に矢沢さんがかっこ良く見えるように、オレが死んでもがんばらねば」と思いました。
矢沢さんは、初対面の僕の名前を、自分を矢沢と呼ぶのと同じくらいの数、呼ぶんですね。
「矢沢はこう思うんです。どう思いますか箭内さん」って。
あの矢沢永吉が僕の名前を、ちゃんと目を見て1分間に2~3回くらいのペースで呼び続けるんです。
もうそのうちに「この人のためならタダでもいいから働いてあげたい」と思ってしまうんです。
さらに矢沢さんは打ち合わせのあとで、「箭内さん、矢沢の船に乗って下さいますか」って言うんです。
「そんなこと言われたらちょっと断れないですよね…」って言ったら、「嬉しいな。箭内さんが乗ってくれるなら、ボイラー室で汗かきます」と返してくるんです。
こういう一つひとつの言葉が矢沢さんの味方やファンを増やしていくんだなと思いましたね。
そのときの打ち合わせでは、1時間のうち58分は矢沢さんが話していました。
途中で矢沢さんもそのことに気づいて「箭内さんすいません。今、矢沢だけがしべっちゃってます」と言うんですね。
でも、「箭内さん。ただ、今日はそうさせて下さい」って言うんです。
「今、多分箭内さんの頭の中にいろいろなアイデアが浮かんでいるはずです。でも、今はそれを言わなくていいです」と。
「家に帰ってそれをメモして、次に会うときに矢沢のところに持ってきて下さい。それを矢沢は見ないでオッケーします」
…この矢沢さんの言葉に僕はしびれました。
とにかく矢沢さんの人との向き合い方はかっこいいと思いました。
『考える力をつくるノート』講談社
人を本気にさせる人がいる。
勿論、怒らせて本気にさせるのではなく、やる気を起こさせる人、という意味。
本気にさせる人は、本気で生きている人。
「世の中は本気になった人から成功していく」とは、西田文郎氏の言葉。
本気になるには、誰かを本気で幸せにしたいと思うこと。
格好いい人には理由がある。
このデジログへのコメント
2人とも、かっこいい~(≧∇≦)
人が人に惚れる、
そんな本気な人になりたい。
ふむ。考えさせられますね。
いい話をありがとう。
マサさん:ですねやっぱり矢沢さんは凄いな
kyouさん:ほんと格好いいですよね
けいさんさん:こちらこそ有難うございます
隣のトトロさん:やっぱり矢沢さんファン多いんですね
やらなければ、と思いながらいつも行動が鈍ってしまう自分がいる。
本気になりきれていないんですね。
ティムヘスさん:私もそんな感じです
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