さよならだけが人生さ

クラス会だった。２０年も続いた。最初のクラス会の写真から見てもみんな全然違う顔をしている。自分はこうなんだとトクトクと語る人も最早いなくて、みんな静かに飲んでいる。それも半分くらいはウーロン茶だ。何人もの男は病気をしている。また死んだ人もいる。高級な店を無理に借りたからか、お酒は確かに飲み放題なんだけれど、料理は少なくて、酒を飲まない身としては持たない。それでも宴は７時間も続いてね。結構本音も聞かれた。ここへ行くのがボクがおっくうになった原因の女はやはりみんなも煩わしかった
そうだ。７時間たって、あといよいよ一回で解散ですと最後の挨拶になった時
学生時代はね、ほとんど目だなかったやつが
突然、幹事さん本当にありがとうと言いだして、泣きだして、まだクラス会を続けてくれと土下座まで始めた。もちろん酔っているけれど『自分でやれよ』とヤジが飛ぶと
『自分じゃできないから頼んでるんだ』という。『出来ることは何でもするから辞めないでくれ』という。確かにクラス会というゆうわくを超えたものだったと思うよ。でもね、幹事がその時いったように、個別にやればいいじゃないということなんだ。気があったやつとね。みんなを集めるということは本当に大変なんだよ。時間に遅れる奴、会費を払わない奴、そして料理が少ないだと文句を言うやつ。彼らは儲けにもならないのにそういうものを全部調整してきた。言っているそばから『料理これでおしまいかよ』なんて言っている奴がいる。こういうやつを閉めだして今度はやるということさ。なんでもね。終わりがあっていいんじゃないかい。と思った。