聖徳太子

厩戸皇子という。

母を蘇我稲目の娘に持つ。蘇我馬子と叔父、
太子は甥に当たる。蘇我イルカ、イミシは従兄弟に当たる。

当時の大和朝廷は部族の連合体で有力部青くは、臣、連になっていた。
最有力は蘇我氏と物部氏と中臣氏だ。

もう一つ大事なことは、当時日本はまだ文字をもっていなかった。
科学技術は朝鮮の百済から帰化人によってもたらされていた。
ま、言ってみれば、帰化人とは知識階級だ。

蘇我氏は外交を担っていた、物部氏は内政を担当し、中臣氏は神祇を担当していた。
蘇我氏は帰化人をイッ手に掌握し、最先端の科学秘術を取り込んでいた。
うんで、他の有力部族に比べ一歩先んじていた。富においてだ。

問題は、最先端の科学技術とは仏教だ。

それまでの日本は神祇と言っても因習習俗の範囲を出ることがなかった。

ところが仏教は、日本人に世界観を与えた。これは驚愕だ。世界の成り立ちを仏の観点から理路整然と説いた。

ま、明治になって、日本人は哲学を初めて知った、
物事の根本原理によって世界が説明されることを、初めて論理で説明されることを学んだ。
ソクラテスとプランによって、そういう世界を初めて知った。

これと同じコトが、仏教で、日本人は世界観を知った。土着の因習習俗の神祇、
ま、神だわな、では世界を説明しようがない、
うんで、仏教が一気にヒーローになってしまった。

この仏教をイッ手に引き受けて、権力基盤を強固にしたのが蘇我氏だ。
これに反発したのが物部氏と中臣氏だ。

聖徳太子は蘇我氏の馬小屋で生まれ出いる。厩戸皇子の由来だ。

有力部族が大和政権で権力を強固にするのには、娘を王に娶らせて外戚になることだ。
王の義父になることが権力を掌握する。
後の摂関家がそうだし、鎌倉幕府の北条氏もそうだ。

馬子は大和政権の外戚になって、権力を掌握していった、

反発したのが、中大兄皇子だ。

幕末の開国か攘夷かのハナシに繋がる。

仏教によって日本は世界観を知った。
幕末の開国によって世界史の中に組み込まれた。

うんで、水戸浪士によって桜田門で井伊直弼がテロを受けた。
蘇我イミシ、イルカが中大兄皇子によって同じくテロを受けた。

うんじゃ、明治維新によって開国は否定されて攘夷で世界から孤立したか？
そんなこたあない、
明治新政府は開国一辺倒だ。

蘇我氏を粛正した天智天皇は、仏教を排斥しなかった。
排斥どころか、取り込んでいった。

不比等の娘を聖武天皇の后にさせて外戚になって権力を完全に掌握した。
で、デキのいい光明皇后は聖武天皇に全国に仏教国家にさた。
仏教が日本では聖武天皇によって国教にされた。

あれだけ迫害したローマ帝国がキリスト教国家になったと同じようだな。

問題は蘇我氏の権力を根絶やしにすることだ。

蘇我氏が大和政権下で根絶やしにされて割を食ったのだ、
正確に言えば、犠牲になったのが厩戸皇子だ。
蘇我氏に縁があるばかりに、割を食った。
つまり、聖徳太子一族が根絶やしにされた。

中大兄皇子一派によってなされた。

犠牲の巻き添えを食った厩戸皇子の一族の鎮魂をせざるを得なくなってしまった。

これをやったのが不比等だ。

法隆寺を建立して厩戸皇子の一族を鎮魂した。

うんで、現政権に協力させるために、厩戸皇子を聖徳太子として
数々の政治的業績を祭り上げた、
教科書にある17条の憲法や、そのたの業績だ。

なおかつ、仏教の注釈書を解説した学者に仕立て上げた。

こうして、不比等によって厩戸皇子は聖徳太子という聖人になった。

政治闘争で根絶やしにされた蘇我氏の、怨恨、厩戸皇子の怨念を
鎮魂するため中大兄皇子一派によって

これでもかこれでもかと、厩戸皇子を奉った。

うんで、聖徳太子が創造された。


今でも、日本人は不比等の聖徳太子を崇めている。

不比等は日本書紀で歴史を改竄した。