短編小説・・・１３

二人で店の中に入ってみたが、まだ開店早々のためか、客はいない。店のものに警察である旨声をかけた。
「ジュンさんはいらっしゃいますか？」
「ジュン？今日はまだ来てないわよ。あの子が何かしたの？」
「いえ、先日１ヶ月前にに新宿中央公園で殺された事件の参考にお伺いしたいことがあって。ジュンさんが何か見ているのではないかと思いまして。」
「チュウさんの件ね。いい人だったのに・・ジュンか。。あの日は休んでいたわね。
ジュンはね、心に病を持った子なの。うつ病に近いって言っていいのかしら。そのため今は病院通い。喜怒哀楽がとても激しい子で、精神安定剤を飲んでいるのよ。」
「もうすぐ出勤すると思うから。刑事さんビール飲む？」
「いや、まだ仕事だから。」
「もう８時過ぎよ。刑事さんも大変ね。こんな時間まで残業？」
しばらく待たせてもらうと、ようやく出勤してきた。
「刑事さん、この子がジュン。ジュン、こちらの刑事さんがあなたに聞きたい事あるんだって。」
「ママ、ちょっと外に連れ出して構いませんか？」
「３０分くらいでいいかしら？いいわよ、どうせ混んでくるのは１１時過ぎだから。」
「ありがとう。じゃあ借りるよ。」
そういって３人で店を出た。ジュンは少し怯えるような様子だった。